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NEC PC-DA670MAB-2 分解・SSDクローン換装

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パソコンサポート田中です。

今回はNECのデスクトップ一体型(All-in-One)

PC-DA670MAB-2(DA670/MAB-2)の分解・SSDクローン換装を行いましたのでご紹介です。

OSが起動しないトラブル

ご相談は「OS(Windows)が起動しなくなった」という内容

シャットダウンをしようとしたところ、「更新して再起動」のメニューが表示されて為、「更新して再起動」したところ、青い画面になってWindowsが起動しなくなったとの事。

WindowsUpdate後のBSoD(Blue Screen of Death)、自動修復の後に正常起動に至らず、回復オプション画面になるという状態です。WindowsUpdateにより、オペレーションシステムが破損して起動不良となっている様子です。

回復オプションからシステムの復元で無事にOS起動を回復することができたのですが、お話を伺ったところ、以前にも更新の際に何度か不具合が起きているとの事でしたので、詳細診断した結果、HDD劣化による動作不良と判断。SSDクローン換装をご提案させていただき受注となりました。

OptaneメモリーとIntel Rapid Storage Technology

PC-DA670MAB-2は「インテル® Optane™ メモリー」が搭載されています。

Optane(オプテイン)メモリーとは、ストレージを高速化するための技術で、OptaneメモリーとHDDを組み合わせることでコンピュータの起動時間やアプリケーションの起動時間を短縮することができる技術です。今回の場合、HDDとは別にM.2のOptaneメモリーがあり、この2つを「Intel Rapid Storage Technology」によりRAIDにする(複数のドライブを1つの論理ドライブとして扱う)ことでHDDの高速化を実現しています。

これは私(個人)の感想ですが、OptaneメモリーでHDDを高速化している場合、HDDの故障・不具合に気付き難くなるように感じます。今回の場合もOSの起動には時間がかかるものの、アプリケーションの起動には特に不満を感じないスピード感でした。ですが、実際はHDDの書き込み・読み込みに不具合が生じており、大量の書き込みが必要なWindowsUpdateに失敗するのではないかと考えられます(あくまで推論です)。経験上、Optaneメモリー+HDDでWindowsUpdateの不具合が多い(あくまで個人の感想です)ため、SSDに換装する場合はOptaneはOFFでご案内しています

Optaneメモリー搭載機種でSSDクローン換装を行う際には、「Intel Rapid Storage Technology」を停止してRAIDを解除してから作業を行わないと、OSの起動ができなくなる可能性がありますので注意が必要です。

タスクマネージャーでディスクを確認してみると「Intel Optane+932GBHDD」という表示となっていることが確認できます。

Optaneメモリー解除のやり方(画像あり)

これからOptaneを解除していきますので作業工程を確認してきましょう。

スタートメニューから「Intel® Optane™ Memory and Storage Management」というアプリケーションを開きます。

アプリケーションが開いたら「管理」の画面が表示されますので、「インテル® Optane™メモリー」のタブを選択

インテル® Optane™メモリーのステータスが表示されます。Optaneメモリーが有効になっていれば「インテル® Optane™メモリーが有効になっており、システムが高速化されています。」の表示がされていると思います。

この表示の下に「無効」というボタンがありますので、こちらをクリックしてください。

インテル® Optane™メモリーの無効化の確認の画面になり、インテル® Optane™メモリーを無効にしてもよろしいですか?と最終の確認がありますので「無効」のボタンをクリックしてください。

この作業にはしばらく時間がかかります(状態によっては1時間以上かかる可能性もあります)

Optaneメモリーの無効化が完了すると「再起動が必要です」の画面となりますので「再起動」のボタンをクリックして再起動を行ってください。

今回は再起動のボタンをクリックしてもエラーとなり、このボタンからは再起動ができませんでしたので、スタートメニューから再起動を行いました。

再起動を行った後、タスクマネージャーを確認するとHDDとOptaneメモリー(SSD)のディスクが分割されていることが確認できます。Optaneメモリーの無効化が完了です。

この作業を終えてからクローン作業を行います。

分解・SSD換装

液晶画面を下にして、背面が見えるようにします。液晶画面が傷付かないように緩衝材などを下に敷いてから作業を行うようにしましょう。

背面の赤丸部分のネジを8つ外していきます。

ネジを外したら赤丸部分の隙間にピックなどを差し込んで上にスライドさせてカバーを外していきます。

カバーを外した状態の背面の写真となります。手前に映っているのが外したカバーです。

背面カバーのネジを全て外した後、ピックなどを使用して背面カバーを外していきましょう。

背面カバーを外すと、このようにマザーボードなどが露出します。黄丸の部分がOptaneメモリーとなっているM.2 SSDで、赤丸が今回、交換対象のHDDです。

HDDカバーの3か所のネジを外して、SATAケーブルのシールを剥がすとHDDを外すことができます。

クローンしたSSDとHDDを交換したら作業完了です。

念のため、不要になったOptaneメモリーは作業完了後に外しておきました。

OptaneメモリーはHDDだけでなく、SSDでも高速化に貢献できるというデータがありますので、安定性より高速化を優先する方は、取り外すのではなくOptaneメモリーを初期化してから、再度「インテル® Optane™ Memory and Storage Management」を起動してOptaneメモリーを有効化してから利用してください。

作業完了後のタスクマネージャー画面となります。

ディスク0のHDDとディスク1のSSD(Optaneメモリー)がありましたが、ディスク0のSSDだけの表示となっています。

作業後はOS起動、アプリケーション起動共に以前より高速になっており、快適に使用できる環境となりました。WindowsUpdateのトラブルも、以降再発していないとの事でひと安心です。

まとめ

Optaneメモリー搭載機でクローン換装を行う際は必ずOptaneメモリーを無効化してから行うようにしましょう。

OptaneメモリーはHDD等とRAIDで構成されている為、有効化されている状態で、どちらか一方を外したり、どちらかが壊れたりした際に、正常な動作をすることができなくなり、OS(Windows)が起動しなくなります。

Optaneメモリーが搭載されているのかどうかを調べたい場合は、タスクマネージャーのディスク表示を確認する。または「インテル® Optane™ Memory and Storage Management」のアプリケーションが入っているかどうか?また有効化されているかどうか?を確認していただければわかると思います。

もちろんメーカーサイトなどで確認していただくことでも調べることができると思います。