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自作PCの電源が入らないトラブル

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パソコンサポート田中です。
今回は自作PCで電源が入らなくなったトラブルを解決しましたのでご紹介です。

電源が入らないトラブル

ご相談は「電源が入らない」という内容
数日前から電源が突然落ちるようになり、いつもは電源をつけなおすと立ち上がるのに、今回は電源が立ち上がらない。
電源ユニットの故障を疑い、新しいものに交換してみたが変化がなく電源がつかないとの事です。

電源ボタンを押しても何も反応がなく、ファンなどもピクリとも動きません。
電源ケーブルの電圧を測ってみたところ問題なく通電していました。

サイドパネルを開けてATXメインコネクタ(マザーボードへの電源供給ケーブル)を外して検査キットで電源を入れてみたところ、ケースファンが回転しファンのLEDランプも光りました。どうも電源ユニット自体は異常がないようです。

再度、マザーボードにATXメインコネクタを接続して、メモリを外して電源投入してみましたが、やはり反応はありません。グラフィックボードを外して同様に確認をしましたが、こちらも変化なし。

マザーボード又はCPUに異常がある可能性が高いことをお伝えして入院検査でご了承をいただきました。

詳細検査

お預かりして詳細な検査を行っていきます。

グラフィックボード、メモリ、電源ユニットを外して、それぞれ別PCに接続して動作確認を行いましたが、各部品正常動作を確認。

マザーボードをケースから取り外して、最小構成で電源投入したところBIOSの起動が確認できました。

パソコンの最小構成

パソコンの最小構成とは、パソコンの動作に最低限必要なパーツ、周辺機器だけを接続したものです。
マザーボード、CPU、CPUクーラー、メインメモリ(1枚のみの接続)、ビデオカード・グラフィックボード(GPU内蔵のCPUならグラフィックボードは不要です)、電源ユニット、ディスプレイ、キーボード。これらを接続しただけのものです。

パソコンのトラブルが発生した場合は最小構成で動作確認をすることが基本となりますので、自作PCなどでトラブルが発生した場合は、最小構成でBIOSが起動するのかを確認するようにしてください。

トラブル解決

マザーボードをケースから取り外して、最小構成でBIOS起動を確認できたのですが、ケースに取り付けると電源が入らない症状が再発しました。
再度ケースから取り外すと電源が入りBIOSが起動します。
ケーブルの接続をひとつひとつ確認。ビスの取り付けをひとつひとつ確認していった結果…

マザーボードとケース接続のビスをしっかりと(キツメに)締めると起動しない。ビスを軽めに締める(緩める)と起動することが確認できました。

結論としては、マザーボードのゆがみ・たわみが原因でマザーボードがショートして起動不良(電源が入らない)となっていたと考えられます。

お客様にはマザーボードの交換をご提案しましたが、原因が判明して電源が入り、OSが起動しているなら、予算的にもマザーボードの交換までは不要との判断をいただきましたので、マザーボード交換は行わず、納品させていただきました。

マザーボードに限らず、M.2 SSDなど「ゆがみ・たわみ」などが発生する可能性があります。
マザーボードにはCPUファンやグラフィックボードなどの、重量がある部品が接続されていて、重力の関係上、常に圧力がかかってしまいます。更にCPUやGPU・SSDは高負荷状態では高温になるため、ゆがみ・たわみが発生しやすくなります。

これらが要因となり、マザーボードやSSDがゆがむことで、起動しないなどの症状が発生することがあります。今回はビスを緩めることで電源が入らない症状を改善することができましたが、部品の交換が必要になる場合もあるかと思います。

自作PCでは特に想定外のトラブルが発生する可能性があります。ひとつひとつ検証していくことが大切ではありますが、どうにもならないと感じたら、ぜひパソコンサポート田中にご相談ください。