パソコンサポート田中です。
最近、「パソコンがウイルスに感染した」とのご相談が多くなっているのですが、ほとんどがウイルス感染(サポート)詐欺なのでご紹介すると同時に注意喚起させていただきます。
ウイルス感染詐欺の流れ
インターネットをみていると、突然、上記のような画像が表示されて、けたたましい警告音と警告メッセージがパソコンから流れ始めます。煩い音声や、警告表示を消そうと「×」をクリックしようとしますが、「×」を押しても再度同じ表示がされてしまい、マウスをどれだけ触っても先に進めません。
やむを得ず、表示されているテクニカルサポートに電話するとマイクロソフトを騙る、カタコトの日本語を話すスタッフに繋がります。
「ウイルス感染の状態を確認するために遠隔操作します」と伝えられ、スタッフの指示に従って遠隔操作ソフトをインストールして、遠隔操作を許可します。
遠隔操作でウイルスに感染しているかのような画面を見せられ、復旧・解決するためにはサポート費用を支払うように言われます。クレジットカードの番号を聞かれたり、コンビニなどでAmazonなどのギフト券を購入して番号を教えるように指示されます。
指示にしたがって支払いを済ますと、更に問題が発生した為、追加で作業が必要なので追加料金を支払うようにと指示されます。
追加作業発生のくだりは場合によっては何度か繰り返されますが、サポート料金を支払うと、最後には、作業が完了するまで暫く時間がかかる旨を伝えられ放置されます。
作業が終わったのか気になって、こちらから電話をしてみると、先ほどの電話は繋がらなくなっていて、(本物の)マイクロソフトのサポートに問い合わせたところ詐欺の被害にあったことに気付く
という流れです。
ウイルス感染詐欺サイト動画
今回、音声メッセージ入りの動画を撮影できましたので、動画を見ていただくと参考になるかと思います。
ウイルス感染詐欺の対処方法
ウイルス感染(サポート)詐欺への対処方法ですが
まずは落ち着いてください。
「ウイルスに感染した」「個人情報が漏洩した」「周囲に迷惑がかかる」などの脅し文句が並ぶと同時に「トロイの木馬」「ファイアウォール」のような専門用語が流れてきてパニックになるように仕向けられています。
動画をみていただいた方はわかると思いますが、動画のような警告メッセージが大音量で鳴り響き、鳴り止まないとなると焦ってしまうのも頷けるかと思います。
ウイルス感染詐欺の画面表示になるとマウスの操作はほとんど受け付けません。マウスで操作できないことでパソコンが操作できなくなったかのように勘違いさせる仕組みです。しかしながらキーボードの操作はできますので、焦らずに対処していきましょう。
マウス操作ができないパターンだと、全画面表示になっていてブラウザの閉じるボタンや、最小化ボタンが表示されないケースが多いと思います。
このような場合はキーボードの「Esc(エスケープ)」キーを押してください。
全画面表示が解除されブラウザの「×(閉じる)」が表示されるようになるかと思います。「×」の表示がでたらマウスで「×」がクリックできるようになっていますのでブラウザを閉じてください。
Escでも×が表示されないようなら、「Ctrl + Alt + Delete」を押してセキュリティオプション画面を表示し、タスクマネージャーを選択・起動。プロセスタブにブラウザソフト(MicrosoftEdgeやGoogleChrome)が表示されているので、選択して右クリック→タスクの終了と進めます。
これでブラウザが停止しますので警告メッセージから解放です。
散々脅し文句が並んでいましたが、この時点でウイルスに感染していることは、ほぼありません。
念のためにウイルス対策ソフトでウイルススキャンを行って脅威が検出されなければ、特別な対処は必要ないかと思います。
遠隔操作までされてしまった。被害にあった。場合
詐欺サイトの電話番号に電話してしまい。遠隔操作されてしまった。または被害にあってお金を支払ってしまった場合は、先ずは警察に被害を受けた旨を届け出ましょう。
詐欺被害を受けた方は黙って泣き寝入りする方が多いようなのですが、検挙事例もありますので、一度警察にご相談いただいた方が良いかと思います。
遠隔操作されてしまった場合、パソコンの内部にあった情報を盗まれてしまった可能性があります。
クレジットカードの番号などを教えてしまった場合は、早急にクレジットカード会社に連絡して事情を説明した上で停止の手続きを行ってください。
パソコン内に銀行などのIDやパスワードを保存していた場合は、遠隔操作を切断した上で早急にパスワード等の変更を行いましょう。流出してしまっては困る個人情報などが入っていた場合は、関係先に事情を説明して情報が流出した可能性を伝える必要があります。
もし不安な場合は専門家に相談することをお勧めします。
被害にあわないために
私が対応させていただいたお客様の中には言葉巧みに誘導されて、100万円近い被害にあったという方もおられました。自分は騙されないという過信を捨てて、正確な情報を取得することで被害を防げるように心がけていきましょう。
まず、このようなウイルス感染の警告が出た場合、特別な契約をしていない限り、通常は電話サポートが案内されることはありません。なので電話番号が記載されていたとしても、電話しないでください。
パソコンの電源を切るなど、インターネットを切断して、一度相談できる方に相談してください。
昔はアダルトサイトから被害にあうパターンが多かった為、アダルトサイトをみていたと勘違いされるかもしれませんが、今はアダルトサイトでなくても、このような詐欺サイトに誘導されることがあります。全く恥ずかしがる必要はありません。もし身近に相談できる方がいない場合は、ひとりで悩まずにパソコンサポートの専門家に相談されることをお勧めします。
もし被害にあってしまった場合は、先ずは警察に相談。その上でパソコンサポートの専門家に相談してください。遠隔操作をされていた場合、本当にデータが盗まれてしまっていることや、ウイルスに感染してしまっている可能性も考えられます。経験値のあるスタッフであれば、どのような対処が必要か案内してくれますし、今後も安心してパソコンを使えるように対処してくれると思います。
合法な取り引きで、電話でクレジットカードの番号(セキュリティコード)を聞いてくることはありえません。絶対に電話口でセキュリティコードを教えないようにしましょう。
セキュリティコードを聞かれた時点で詐欺だと思っていただいて問題ないと思います。
またコンビニやドラッグストアでギフトカードを購入するように指示をしてくる場合も同様で、このような指示をする手口は99%詐欺です。AmazonやGoogleのカードをコンビニ買うように指示してきた場合も絶対に購入したり、番号を教えたりしないようにしましょう。
最後に、(パソコン関係に限らず)詐欺は非常に巧妙にしかけられているため、思わぬところで騙されてしまう可能性があります。絶対に自分は大丈夫と過信せず、直ぐに対応するように急かしてくるような場合は特に、一度落ち着いて身近な人に相談するようにしてください。